ぼやき第20回

少し昔話をします。学生時代の私はあまり全国大会に縁がありませんでした。

何回かチャンスはあったのですが、県大会の決勝という舞台で自分の力が出し切れず敗北してしまいました。

相手には失礼かもしれませんが、当時のことを客観的に振り返ってみても7:3もしくは8:2位で私に分があったと思います。しかしながら、結果は頭を突っ込みながらの内股による反則負け、谷落としによる一本負けなどに終わってしまいました。

反則負けの試合は技ありを先取していながらの敗北、一本負けの試合は前大会優勝の第1シードの選手を破っておきながらの敗北であり、とても苦い思い出です。

 

私は心・技・体の『心』が未熟でした。現在の私は『やるからには勝つ』という気持ちで試合場に立っています。人間の心理とは不思議なもので『絶対に勝つ』とか『勝たなければならない』は選手にとってマイナスに働くことが多いのです。一方で『勝てるだろう』や『勝てたらいいなぁ』は『慢心』や『諦め』に繋がります。

 

国柔会の皆さんはどのような気持ちで試合場に立っていますか?

普段の稽古で私は『気持ちで負けたら絶対に勝てない』とか『気持ちで負けるな』と伝えています。

ニュアンスの違いですが、『気持ちでは絶対に勝ちなさい』とは伝えたことがないと思います。

『負けないぞ』という心理が一番良いと私は考えているからです。

 

3年前私は全日本選手権3位になったことのある先生と試合する機会がありました。

明らかに私よりも実力がある相手です。

それでも私は試合に臨む時『負けてしまうかも』とは一切考えませんでした。

結果は抑え込まれての一本負けでしたが、もしもう一度試合をする事があっても精神面では負けない自信があります。

 

皆さんそれぞれにライバルや勝てない相手がいると思いますが、試合前もしくは試合中に気持ちで負けていませんか?

先日の北ロータリー大会では気持ちで負けてしまっている選手が多く見受けられた気がします。

 

 『負けない』『折れない』『めげない』心を選手全員に期待します。